リップクリームをこまめに塗っているのに、なぜか唇のカサカサがなかなか治らない…。そんな悩みを抱えている方もいるかもしれません。一般的な乾燥対策をしているにも関わらず、唇の荒れが改善しない場合、そこにはいくつかの意外な原因が隠れている可能性があります。まず考えられるのは、「リップクリームの成分が合っていない」あるいは「塗りすぎている」という可能性です。リップクリームに含まれる特定の成分(香料、着色料、保存料、メントールなど)に対してアレルギー反応や刺激を感じ、かえって唇の荒れを悪化させていることがあります。また、良かれと思って一日に何度も頻繁に塗りすぎると、唇が本来持っている保湿機能が低下してしまったり、摩擦によって刺激を与えてしまったりすることもあります。次に、「歯磨き粉の成分による刺激」も意外な原因の一つです。歯磨き粉に含まれる発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)や香料、研磨剤などが、唇の粘膜に刺激を与え、乾燥や荒れを引き起こすことがあります。特に、歯磨き後に口の周りをしっかりとすすげていないと、歯磨き粉の成分が唇に残りやすくなります。また、「特定の食べ物や飲み物による刺激やアレルギー」も考えられます。辛いものや酸っぱいもの、香辛料の強いものは、直接的に唇の粘膜を刺激し、炎症や乾燥を招くことがあります。また、マンゴーやキウイフルーツ、柑橘類など、特定の果物や野菜に含まれる成分が、口腔アレルギー症候群として唇にかゆみや腫れ、カサカサを引き起こすこともあります。これは花粉症と関連していることも多いです。さらに、「口呼吸の習慣」は、自覚していなくても唇の乾燥を招く大きな原因です。睡眠中や集中している時に無意識に口が開いていると、乾燥した空気が直接唇に当たり、水分を奪ってしまいます。鼻炎や鼻詰まりがある人は、口呼吸になりやすいため注意が必要です。「胃腸の不調」も、間接的に唇の荒れに関係していることがあります。東洋医学では、唇の状態は消化器系の健康状態を反映するとも言われています。胃腸の機能が低下すると、栄養の吸収が悪くなったり、体全体の水分バランスが崩れたりして、唇の潤いが失われると考えられます。ストレスや睡眠不足、疲労なども、自律神経のバランスを崩し、免疫力を低下させ、皮膚のターンオーバーを乱すため、唇の荒れが治りにくくなる要因となります。