グラグラの歯を抜いた後、傷口が安全に治癒し、痛みを最小限に抑えるためには、抜歯後の過ごし方が非常に重要です。いくつか注意すべきポイントを守ることで、スムーズな回復を促すことができます。まず、抜歯当日は、うがいを強くしすぎないように注意しましょう。抜歯窩(歯を抜いた後の穴)には、血が固まってできる「血餅(けっぺい)」ができますが、これは傷口を保護し、骨や歯茎が新しく作られるための足がかりとなる非常に大切なものです。強い力でうがいをしたり、舌や指で抜歯窩を触ったりすると、血餅が剥がれてしまい、傷口の治りが遅れたり、強い痛みを伴うドライソケットになったりするリスクがあります。抜歯後24時間は、なるべく安静に過ごすことが推奨されます。激しい運動や長時間の入浴は、血行が良くなりすぎて出血のリスクを高めるため避けるべきです。喫煙も、血行を悪化させ、傷口の治りを遅らせるだけでなく、ドライソケットのリスクを大幅に高めるため、抜歯前後だけでも禁煙することが非常に重要です。飲酒も控えましょう。食事は、麻酔が完全に切れてから始めます。抜歯した側で硬いものや刺激物を噛むのは避け、抜歯した部分を避けて、やわらかく、温度も人肌に近いものを選びましょう。細かいカスが出やすいもの(ゴマ、ナッツ、パン粉など)も、抜歯窩に入り込む可能性があるため注意が必要です。歯磨きは、抜歯した部分には直接歯ブラシを当てず、周囲の歯をやさしく磨くようにします。抜歯窩の周りの歯茎はデリケートになっているため、刺激しないように注意しましょう。腫れが出ることがありますが、これは正常な反応です。抜歯後1~2日は、冷たいタオルなどで頬の外側から優しく冷やすと腫れが和らぎます(ただし、冷やしすぎないように)。これらの注意点を守ることで、抜歯後のトラブルを防ぎ、痛みを抑えながらスムーズに回復することができます。