歯科検診の重要性レジン下の虫歯を見つけるには

コンポジットレジンで治療した歯の二次う蝕は、自分ではなかなか気づきにくいという特徴があります。詰め物の下や境目で虫歯が進行するため、見た目にも分かりづらく、痛みなどの自覚症状が出たときには、すでに虫歯がかなり進行していることが多いからです。そこで、二次う蝕を早期に発見し、軽いうちに治療するために非常に重要になるのが、定期的な歯科検診です。歯科医院では、歯科医師や歯科衛生士が専門的な目で、詰め物の状態やお口の中全体を詳しくチェックしてくれます。まず、詰め物と歯の境目に隙間や段差がないか、詰め物が欠けたり変色したりしていないかなど、詰め物そのものの状態を細かく観察します。レジンと歯の境目に黒っぽい線が入っている場合など、二次う蝕が疑われるサインを見つけることができます。また、探針と呼ばれる先の細い器具を使って、詰め物の境目や歯の表面に柔らかくなっている部分がないかを確認したり、フロスが引っかかる場所がないかをチェックしたりします。そして、二次う蝕の診断に欠かせないのが「レントゲン検査」です。特にデンタルX線写真(小さな範囲を拡大して写すレントゲン)は、詰め物の下の隠れた虫歯や、歯と詰め物の境目の状態を把握するために非常に有効です。見た目では全く分からなくても、レントゲン写真で詰め物の下に黒い影(虫歯)が写っていることがあります。歯科医師は、これらの診察と検査の結果を総合的に判断して、二次う蝕の有無や進行度を診断します。もし二次う蝕が見つかった場合でも、初期の段階であれば詰め物をやり替えるだけで済むことがほとんどです。しかし、発見が遅れて虫歯が大きく進行してしまうと、神経の治療が必要になったり、最悪の場合は抜歯が必要になったりすることもあります。コンポジットレジンで治療した歯がある方は、少なくとも半年に一度は歯科医院で定期検診を受け、プロの目でしっかりチェックしてもらうことが、二次う蝕から歯を守るために最も効果的な方法と言えるでしょう。