毎日の歯磨き中や食事中に、歯ぐきの色がおかしい、腫れている、触ると痛い、または痛くないけれどしこりがあるなど、何らかの異常に気づいたとき、あなたはどのように対処していますか?多くの場合、「様子を見よう」「そのうち治るだろう」と考えるかもしれません。しかし、特に2週間以上経っても改善が見られない、あるいは悪化しているような異常については、決して自己判断で済ませず、必ず専門家に相談することが重要です。歯ぐきの異常に気づいたときにまずすべきことは、「いつから、どんな症状があるか」を冷静に観察し、可能であれば記録しておくことです。痛みの有無、場所、大きさの変化、きっかけとなったと思われることなどを具体的に把握しておくと、医療機関を受診した際に正確な情報を伝えられ、診断に役立ちます。次に、その異常が歯磨きや食事、あるいは特定の動作(噛むなど)によって誘発されるか、悪化するかなどを確認します。しかし、自己診断はここまでです。最も重要で次に取るべき行動は、迷わず「歯科医院を受診する」ことです。歯ぐきの異常の原因は、歯周病や口内炎といった比較的軽度なものから、良性・悪性の腫瘍まで多岐にわたります。これらの病気は、見た目だけでは区別がつかないことがほとんどです。歯科医師は口腔内の専門家として、視診、触診、必要に応じてレントゲンや組織検査(生検)などを行い、正確な診断を下すことができます。自己判断で市販薬を使ったり、民間療法を試したりすることは、病気の発見を遅らせたり、かえって症状を悪化させたりする可能性があり危険です。歯ぐきの異常は体が発するサインです。そのサインを見逃さず、迅速に専門家の診察を受けることが、適切な治療への第一歩となります。