口内炎ができる場所は口の中だけにとどまらず、時には喉の奥、いわゆる咽頭部や扁桃腺の近くにまで及ぶことがあります。この場所にできる口内炎は、鏡で見ても確認しづらく、飲み込むたびに激しい痛みを伴うため、非常につらい症状を引き起こします。風邪の喉の痛みと間違われることもありますが、特徴的な鋭い痛みや、場合によっては白い潰瘍が見えることで区別できることもあります。喉の奥に口内炎ができる原因としては、まずウイルスや細菌の感染が考えられます。ヘルパンギーナや手足口病といった夏風邪の代表的なウイルス感染症では、喉の奥に多数の小さな水疱や口内炎ができることがあります。また、溶連菌感染症など細菌感染によっても、喉の粘膜に炎症が起こり、口内炎のような症状が現れることがあります。物理的な刺激も原因となり得ます。例えば、魚の骨が刺さった、あるいは硬い食べ物を無理に飲み込もうとして粘膜を傷つけた場合などです。喫煙や過度の飲酒も、喉の粘膜を乾燥させ、刺激を与えるため、口内炎のリスクを高めます。さらに、胃酸が逆流する逆流性食道炎によって、喉の粘膜が胃酸で繰り返し刺激され、炎症や口内炎を引き起こすこともあります。ストレスや疲労による免疫力の低下も、喉の口内炎を誘発したり、悪化させたりする要因となります。喉の奥に口内炎ができてしまった場合の対処法としては、まず安静にし、喉への刺激を避けることが重要です。食事は、熱すぎるもの、冷たすぎるもの、辛いもの、酸っぱいもの、硬いものは避け、喉越しの良い、柔らかく消化しやすいものを選びましょう。おかゆ、ゼリー、プリン、スープなどが適しています。水分補給も大切ですが、一度にたくさん飲むのではなく、こまめに少量ずつ摂るようにしましょう。うがいも効果的です。殺菌作用のあるうがい薬や、塩水でのうがいは、喉を清潔に保ち、炎症を和らげるのに役立ちます。ただし、刺激の強すぎるうがい薬は避けましょう。