気になる口臭を何とかしたいけれど、市販のマウスウォッシュは刺激が強すぎたり、香りが苦手だったりすることはありませんか。そんな時、身近な素材である重曹を使った「重曹うがい」が、口臭対策の一つの選択肢として注目されています。重曹が口臭に効果的とされる理由と、その正しい使い方、そして注意点について詳しく見ていきましょう。口臭の主な原因は、口腔内の細菌が食べカスや剥がれ落ちた粘膜のタンパク質を分解する際に発生する「揮発性硫黄化合物(VSC)」です。代表的なものに硫化水素やメチルメルカプタンがあり、これらが卵の腐ったような臭いや野菜の腐ったような臭いの元となります。重曹、すなわち炭酸水素ナトリウムは弱アルカリ性の性質を持っています。このアルカリ性が、口臭の原因となる細菌の活動環境に影響を与えます。多くの口臭原因菌は、やや酸性の環境で活発に増殖する傾向があります。重曹うがいによって口腔内を一時的にアルカリ性に傾けることで、これらの細菌の活動を抑制し、VSCの産生を抑える効果が期待できるのです。また、重曹にはある程度の消臭効果もあるとされ、発生してしまった臭い成分を中和する働きも一部で考えられています。効果的な使い方としては、まず食用の重曹を用意します。掃除用や工業用のものは不純物が含まれている可能性があるため、絶対に使用しないでください。コップ一杯(約100ml~200ml)の水またはぬるま湯に、小さじ半分(約1g~2g)程度の重曹をよく溶かします。この重曹水で、30秒ほど口全体に行き渡るようにブクブクうがいをします。特に舌の表面(舌苔)は細菌が付着しやすいため、舌の奥まで届くように意識すると良いでしょう。ただし、喉の奥でガラガラうがいをする必要はありません。うがい後は、水ですすぐ必要はありませんが、しょっぱさが気になる場合は軽くすすいでも構いません。頻度としては、1日に1~2回、特に起床時や就寝前、または口臭が気になるときに行うのがおすすめです。ただし、重曹うがいにも注意点があります。濃度が高すぎると、口腔粘膜を刺激し、ヒリヒリとした痛みを感じることがあります。また、長期間の過度な使用は、口腔内の常在菌のバランスを崩してしまう可能性も指摘されています。