食いしばりや歯ぎしりの改善が期待できるボトックス注射。治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小限に抑えるためには、治療後の過ごし方にもいくつかの注意点があります。これらを守ることで、より安全かつ快適に治療の経過を辿ることができます。まず、注射当日の注意点として最も重要なのは、注射部位への刺激を避けることです。注射直後は、注入部位を強く揉んだり、マッサージしたりしないようにしましょう。ボトックスが意図しない周囲の筋肉に広がってしまうのを防ぐためです。洗顔やメイクは、注射部位を強くこすらないように優しく行えば、当日から可能な場合が多いですが、クリニックの指示に従ってください。また、血行が良くなりすぎると、内出血や腫れが悪化する可能性があるため、注射当日の長時間の入浴やサウナ、激しい運動、過度の飲酒は控えるようにしましょう。シャワー程度であれば問題ないことが一般的です。次に、治療後数日間の注意点です。内出血や軽い腫れ、痛みが出ることがありますが、これらは通常、数日で自然に軽快します。もし内出血が気になる場合は、冷やすことで多少和らぐことがあります。痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を服用しても良いか、事前に医師に確認しておくと安心です。ボトックスの効果が徐々に現れ始めると、咬筋(こうきん)の力が弱まってきたことを実感するかもしれません。その際、一時的に咀嚼時にだるさや違和感を覚えることがありますが、これは体が変化に慣れていく過程で起こるもので、多くは数週間で気にならなくなります。硬いものを無理に食べようとせず、少しずつ慣らしていくようにしましょう。また、稀にですが、ボトックスが周囲の筋肉に影響し、笑顔が不自然になったり、口角が上がりにくくなったりすることがあります。このような症状が現れた場合は、自己判断せずに速やかに治療を受けたクリニックに連絡し、医師の指示を仰いでください。多くは一時的なもので、時間とともに改善しますが、状況によっては追加の処置が必要になることもあります。治療後1週間程度は、エステティックサロンでのフェイシャルマッサージなど、顔に強い圧力がかかる施術も避けた方が無難です。ボトックスが安定するまでの期間は、できるだけ顔への強い刺激を避けるように心がけましょう。
食いしばりボトックス治療後の注意点と過ごし方