口内炎が治りかけの時期は、痛みが和らぎ、食欲も少しずつ戻ってくる頃でしょう。しかし、ここで油断して普段通りの食事に戻してしまうと、せっかく快方に向かっていた症状が悪化してしまうこともあります。治りかけの粘膜はまだデリケートなため、食事内容には細心の注意が必要です。完治を早め、再発を防ぐためには、どのような食事と栄養摂取を心がければ良いのでしょうか。まず基本となるのは、刺激物を避けることです。唐辛子などの香辛料、レモンやお酢などの酸味の強いもの、熱すぎるスープや飲み物は、治りかけの粘膜を刺激し、炎症を再燃させる可能性があります。また、せんべいやナッツ類のような硬い食べ物も、物理的に患部を傷つける恐れがあるため避けましょう。では、どのような食事が適しているのでしょうか。おすすめは、柔らかく消化の良いものです。おかゆ、うどん、豆腐、茶碗蒸し、ポタージュスープなどは、口内への負担が少なく、栄養も摂取しやすいメニューです。野菜や果物も、細かく刻んだり、ミキサーにかけてスムージーにしたりすれば、無理なく摂ることができます。栄養面で特に意識したいのは、粘膜の修復を助けるビタミン類です。特にビタミンB群(ビタミンB2、B6など)は、皮膚や粘膜の健康維持に不可欠な栄養素です。豚肉、レバー、うなぎ、納豆、卵、乳製品などに多く含まれています。また、コラーゲンの生成を助け、免疫力を高めるビタミンCも重要です。ブロッコリー、ピーマン、じゃがいも、果物(柑橘類は酸味が強いので注意が必要ですが、いちごやキウイフルーツなどは比較的摂りやすいでしょう)などから摂取できます。さらに、細胞の再生に関わる亜鉛も、積極的に摂りたいミネラルの一つです。牡蠣、牛肉、豚レバー、チーズなどに含まれています。これらの栄養素をバランス良く摂取することで、口内炎の治癒を内側からサポートすることができます。食事の際は、よく噛んでゆっくり食べることも大切です。焦って食べると、誤って患部を噛んでしまうリスクもあります。飲み物も、熱いものや炭酸飲料は避け、常温の水や麦茶、牛乳などを選ぶと良いでしょう。