した唇内側口内炎その原因は?

私たちの口の中で、比較的口内炎ができやすい場所の一つが、した唇の内側です。食事中にうっかり噛んでしまったり、歯並びによっては常に歯が当たっていたり、あるいは乾燥によって荒れたり、その原因は様々です。なぜ特にした唇の内側にできやすいのでしょうか。それは、した唇の内側が、食べ物の通り道であり、歯や舌、さらには矯正装置や入れ歯など、様々なものと常に接触する機会が多い場所だからです。この場所は、物理的な刺激を受けやすく、また唾液の自浄作用が届きにくい奥まった部分でもあります。口内炎は、口の中の粘膜に炎症が起きる状態全般を指しますが、した唇の内側にできる口内炎として最も一般的なのは「アフタ性口内炎」でしょう。これは、丸くて白い潰瘍ができ、周囲が赤く縁取られるタイプで、触れると非常に強い痛みを伴います。アフタ性口内炎の明確な原因はまだ分かっていませんが、ストレスや疲れ、栄養不足、口の中の傷などが関係していると考えられています。その他にも、物理的な刺激が直接的な原因となる口内炎もあります。例えば、唇を噛んだ傷から細菌が感染して炎症が起こる場合や、歯の尖った部分や合わない被せ物、矯正装置などが粘膜に常に擦れることでできる「カタル性口内炎」も、した唇の内側に多く見られます。カタル性口内炎は、アフタ性のように境界がはっきりした潰瘍ではなく、粘膜が赤く腫れたりただれたりするのが特徴です。また、特定のウイルス感染や、全身の病気の一症状として唇の粘膜に病変が現れることも稀にあります。した唇の内側に口内炎ができた場合、多くの場合は上記のような原因が考えられますが、原因によって治療法や予防法が異なります。まずはご自身の口内炎の症状や、思い当たる原因がないかなどをよく観察することが大切です。原因がはっきりしない場合や、症状が重い場合は、医療機関を受診して診断を受けることをお勧めします。