歯茎にできる口内炎は、歯磨きのたびに沁みたり、食事の際にズキッとした痛みを感じたりと、日常生活において大きな不快感をもたらします。歯茎は食べ物のカスが残りやすく、また歯周病など他の口腔トラブルも起こりやすい場所であるため、口内炎ができた際には特に注意深いケアが必要です。歯茎に口内炎ができる原因は様々です。最も一般的なのは、歯ブラシによる物理的な刺激です。硬い歯ブラシでゴシゴシと強く磨きすぎたり、歯間ブラシやデンタルフロスを不適切に使用したりすると、歯茎を傷つけてしまい、そこから炎症が起こることがあります。また、合わない入れ歯や矯正装置が歯茎に当たり続けることも、慢性的な刺激となって口内炎を引き起こす原因となります。熱い食べ物や飲み物による火傷も考えられます。その他、ストレスや疲労、栄養不足(特にビタミンB群やビタミンCの欠乏)による免疫力の低下も、歯茎の口内炎を誘発する大きな要因です。体が弱っていると、普段なら問題にならないような小さな傷や細菌の侵入に対しても、過敏に反応して炎症を起こしやすくなるのです。ウイルス感染(ヘルペス性歯肉口内炎など)や、特定の薬剤の副作用、あるいは全身疾患の一症状として歯茎に炎症が現れることもあります。歯茎に口内炎ができてしまった場合のケアとしては、まず第一に口腔内を清潔に保つことです。しかし、患部を直接強く磨くのは避け、柔らかめの歯ブラシで優しく、丁寧なブラッシングを心がけましょう。歯磨き粉も、刺激の少ないタイプを選ぶと良いでしょう。食後は必ずうがいをし、食べカスが残らないように注意します。殺菌効果のあるうがい薬を使用するのも効果的ですが、アルコール成分が強いものは刺激になることがあるので、ノンアルコールタイプや低刺激性のものを選ぶと安心です。食事は、硬いものや刺激の強いもの(辛いもの、酸っぱいもの、熱すぎるもの)を避け、歯茎に負担のかからない柔らかいものを中心に摂るようにしましょう。市販の口内炎治療薬(塗布薬や付着錠など)を使用するのも痛みの緩和や治癒促進に役立ちます。