私は長い間、原因不明の頭痛に悩まされていました。特に午後になるとこめかみあたりがズキズキと痛み始め、ひどい時には仕事に集中できないほどでした。最初は単なる疲れや肩こりだと思い、湿布を貼ったりマッサージに行ったりしましたが、一向に改善しませんでした。頭痛薬を飲めば一時的に楽になるものの、薬が切れるとまたすぐに痛みがぶり返すのです。様々な医療機関を受診しましたが、特に異常は見つからず、「ストレスでしょう」と言われることもありました。半ば諦めかけていたある日、ふと歯に鈍い痛みがあることに気づきました。強く痛むわけではなかったので軽く考えていましたが、頭痛がひどい日は歯の痛みも少し増しているような気がしました。もしかして、と思い歯科医院を受診したところ、思いがけない診断を受けました。なんと、奥歯の根元に炎症が起きているとのこと。自分ではほとんど自覚症状がなかったのですが、レントゲンを撮るとはっきりと確認できました。歯科医師からは、この炎症が三叉神経を刺激し、それが関連痛として頭痛を引き起こしている可能性が高いと説明を受けました。まさか歯が原因だったなんて、本当に驚きでした。早速、根管治療を開始しました。治療は何度か通う必要がありましたが、治療が進むにつれて、あれほど悩まされていた頭痛が徐々に和らいでいくのを実感しました。そして治療が完了する頃には、ほとんど頭痛が起きなくなっていたのです。私の経験から言えるのは、原因不明の頭痛に悩んでいる方は、一度歯の状態を確認してみる価値は十分にあるということです。歯痛がなくても、隠れた歯のトラブルが頭痛の原因になっている可能性はゼロではありません。つらい頭痛から解放されるために、選択肢の一つとして歯科受診を考えてみてください。