口内炎が治りかけてくると、あの辛い痛みから解放される喜びでいっぱいになりますが、ここで気を抜いてしまうと再発のリスクが高まることがあります。せっかく治りかけた口内炎をぶり返させないため、そして今後新たに口内炎ができるのを防ぐためには、日頃の生活習慣を見直すことが非常に重要です。まず、最も基本的ながら効果的なのは、口腔内を常に清潔に保つことです。毎食後の歯磨きはもちろんのこと、歯間ブラシやデンタルフロスを使い、歯と歯の間や歯周ポケットに潜む細菌や食べカスをしっかりと除去しましょう。舌の表面に付着する舌苔も口臭や細菌の温床となるため、舌ブラシなどで優しく清掃するのも良いでしょう。定期的な歯科検診を受け、プロフェッショナルケアで口腔環境を整えてもらうことも、口内炎予防には有効です。次に、食生活の見直しも欠かせません。粘膜の健康維持に不可欠なビタミンB群(B2、B6、B12など)、ビタミンC、鉄分、亜鉛といった栄養素が不足すると、口内炎ができやすくなります。緑黄色野菜、果物、肉類、魚介類、乳製品、大豆製品などをバランス良く摂取するよう心がけましょう。特に、外食や加工食品に偏った食生活を送っている人は注意が必要です。刺激物の過剰な摂取も控えましょう。香辛料の多い食事や熱すぎる飲み物は、口腔粘膜を傷つけ、口内炎の引き金になることがあります。そして、免疫力の維持も重要なポイントです。十分な睡眠、適度な運動、ストレスの効果的な解消は、免疫力を高め、口内炎ができにくい体質を作るのに役立ちます。特に睡眠不足は免疫力低下に直結するため、質の高い睡眠を確保するよう努めましょう。ストレスを感じたときは、趣味に没頭したり、リラックスできる時間を作ったりして、上手に発散することが大切です。また、物理的な刺激も口内炎の原因となります。合わない入れ歯や矯正装置、尖った歯、頬の内側を噛む癖などがある場合は、歯科医師に相談して改善策を講じましょう。喫煙も口腔粘膜に悪影響を与え、口内炎のリスクを高めるため、禁煙を考えることも予防の一つです。