頬のあたりが少し重たい感じがする、鼻水が少し黄色がかっている…もしかして上顎洞炎かもしれないけれど、症状はそれほどひどくない。こんな時、「自然に治るのを待ってみようか」と考える人もいるでしょう。確かに、ごく軽症の上顎洞炎であれば、体の免疫力によって自然に軽快することもあります。しかし、どのくらいの期間様子を見て、どのタイミングで医療機関を受診すべきか、その目安を知っておくことは重要です。まず、上顎洞炎の症状が非常に軽く、他に強い症状(高熱、激しい顔面痛、多量の膿性鼻汁など)がない場合、セルフケアをしながら数日間様子を見ることは一つの選択肢です。この「数日間」というのは、具体的には3日から5日程度が一つの目安となるでしょう。風邪の初期症状と区別がつきにくいような、鼻の奥の違和感や少量のサラサラとした鼻水程度であれば、十分な休息と栄養、体を温めることなどで、この期間内に改善の兆しが見られることがあります。しかし、この数日間で症状が改善しない、あるいはむしろ悪化する傾向が見られる場合は、自然治癒は期待しにくいと考え、耳鼻咽喉科の受診を検討すべきです。特に、以下のような変化が見られたら、早めに医師の診察を受けましょう。また、症状が軽くても、それが1週間以上だらだらと続く場合も、注意が必要です。軽微な炎症が持続することで、慢性化のリスクが高まったり、気づかないうちに他の合併症を引き起こしたりする可能性も否定できません。特に、過去に副鼻腔炎を繰り返したことがある方や、アレルギー性鼻炎、喘息などの基礎疾患がある方は、症状が軽微であっても油断せず、早めに医師に相談することをお勧めします。歯が原因で起こる「歯性上顎洞炎」の場合は、症状の軽重に関わらず、自然治癒することはまずありません。片側の頬の痛みや歯の痛み、悪臭のある鼻水などの特徴的な症状がある場合は、速やかに耳鼻咽喉科および歯科・口腔外科を受診する必要があります。自然治癒を待つという選択は、あくまで「ごく初期の、非常に軽い症状で、かつ改善傾向が見られる場合」に限定されるべきです。自己判断で長期間放置することは、症状の悪化や慢性化を招くリスクを高めるだけです。不安な場合は、迷わず専門医の意見を仰ぎましょう。
上顎洞炎の症状が軽い場合、自然治癒を待つ期間の目安は?