抜歯への不安の多くは、「痛み」に対する恐怖心からきています。この痛みをコントロールするために欠かせないのが麻酔です。抜歯を受ける前に、麻酔について知っておくことで、不安を和らげることができます。歯科医院で行われる抜歯の麻酔は、主に「局所麻酔」です。これは、抜歯する歯とその周囲の神経だけを一時的に麻痺させる方法です。意識ははっきりしたままで、抜歯中の痛みを感じなくすることができます。局所麻酔の方法にはいくつか種類があり、抜歯する場所や歯の状態によって使い分けられますが、歯の周りの歯茎に注射する方法が一般的です。多くの人が不安に感じる麻酔注射の痛みですが、最近の歯科医院では様々な工夫で痛みを軽減しています。まず、注射の前に歯茎の表面にジェル状やスプレー状の「表面麻酔」を塗布することがあります。これにより、針を刺すときのチクッとした痛みが和らぎます。次に、使用される針は非常に細いものが主流になっており、針が刺さる際の刺激を最小限に抑えます。また、麻酔液を人肌程度に温めたり、電動の注射器を使って麻酔液をゆっくりと一定の速度で注入したりすることで、注入時の圧迫感や痛みを軽減します。麻酔が十分に効くまでには数分かかります。麻酔が効くと、唇や舌、歯茎がジンジンしたり、感覚が鈍くなったりします。歯科医師は、麻酔が十分に効いているかを確認してから抜歯を行いますので安心してください。麻酔が効いている間は、痛みは感じませんが、歯が動く感覚や、押される感覚は残ることがあります。これは痛覚とは違う感覚なので、心配ありません。麻酔の効果は通常2~3時間持続します。抜歯後、麻酔が切れてくると痛みが出てくることがありますが、そのための痛み止めが処方されます。麻酔に関して不安な点やアレルギーなどがあれば、必ず事前に歯科医師に伝えてください。痛くない抜歯のためには、麻酔が重要な役割を果たします。
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