口内炎の代表的な症状の一つである白い部分。これは多くの場合、アフタ性口内炎に見られる偽膜(ぎまく)と呼ばれるものです。この白い膜は、炎症によって傷ついた粘膜を保護し、治癒を助ける役割を担っています。では、この白い口内炎は、いつまで続き、どのように治っていくのでしょうか。一般的なアフタ性口内炎の治癒過程を追ってみましょう。まず、口内炎の初期段階では、粘膜に小さな赤みや軽い痛み、ピリピリとした違和感が生じます。この時点では、まだはっきりとした白い膜は現れていないか、ごく小さなものかもしれません。次に、炎症が進行すると、患部の中心部が浅くくぼみ、そこに白い膜、つまり偽膜が形成され始めます。この偽膜は、壊死した粘膜細胞や白血球、フィブリンなどが集まったもので、いわば傷口を覆う絆創膏のような役割をしています。この時期が、最も痛みが強く、食事や会話にも支障が出やすいピークと言えるでしょう。白い膜の周囲は赤く腫れ上がり、炎症が活発であることを示しています。そして、治癒期に入ると、この白い偽膜が徐々に小さくなり、薄くなっていきます。周囲の赤みも引いていき、痛みも和らいできます。偽膜の下では、新しい粘膜細胞が盛んに作られ、傷ついた部分が修復されていきます。最終的に、白い偽膜は完全に消失し、新しい健康なピンク色の粘膜が現れて完治となります。この一連の治癒過程は、通常、口内炎の大きさや個人の治癒力にもよりますが、おおむね1週間から2週間程度で完了します。ただし、口内炎が大きい場合や、栄養状態が悪かったり、免疫力が低下していたりすると、治癒が長引くこともあります。また、白い口内炎が2週間以上経っても改善しない、あるいは悪化する、頻繁に繰り返す、白い部分の様子がいつもと違うといった場合は、単なるアフタ性口内炎ではない可能性も考えられます。例えば、口腔カンジダ症や白板症、あるいは稀なケースではありますが、口腔がんの初期症状である可能性も否定できません。そのような場合は、自己判断せずに早めに歯科医師や口腔外科医を受診し、正確な診断と適切な治療を受けることが非常に重要です。