舌のピリピリ感や赤い斑点は、日々の食事や栄養状態と密接に関わっていることがあります。特に、特定のビタミンやミネラルが不足すると、舌の粘膜が正常に機能しなくなり、炎症や痛みを引き起こしやすくなります。最も関連が深いのは、ビタミンB群、特にビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB12(コバラミン)、そして葉酸です。これらのビタミンは、細胞の代謝や再生に重要な役割を果たしており、不足すると舌炎(舌の炎症)を引き起こし、舌が赤く腫れたり、表面が滑らかになったり、ピリピリとした痛みを感じることがあります。ビタミンB2不足では、口角炎や口唇炎も併発することがあります。また、鉄欠乏性貧血も舌の症状と関連が深いです。鉄分は赤血球のヘモグロビンを構成する重要なミネラルであり、不足すると体中の酸素運搬能力が低下します。舌の粘膜細胞も酸素不足に陥り、舌が蒼白になったり、表面がツルツルになったり、赤い斑点やヒリヒリとした痛みを感じることがあります。亜鉛もまた、味覚や細胞の再生に関わる重要なミネラルであり、不足すると舌の異常を引き起こす可能性があります。これらの栄養素は、バランスの取れた食事から摂取することが理想です。ビタミンB群は肉類、魚介類、乳製品、卵、豆類、緑黄色野菜などに豊富に含まれ、鉄分はレバー、赤身肉、ほうれん草などに多く含まれています。亜鉛は牡蠣、牛肉、豚肉、豆類などに多く含まれます。食生活の偏りがあると感じる場合は、食事内容を見直し、必要に応じてサプリメントの利用も検討できますが、過剰摂取は避けるべきです。症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、栄養状態の検査や適切な指導を受けることが大切です。