口内炎が治りかけの時期は、痛みが和らぎ、ようやく食事が楽しめるようになるなど、嬉しい変化が現れます。しかし、ここで油断は禁物です。治りかけのサインを正しく見極め、適切なケアを続けることが、再発を防ぎ、完全に治癒させるための重要なポイントとなります。まず、治りかけのサインとして最も分かりやすいのは、炎症の中心部にあった白い膜が小さくなったり、色が薄くなったりすることです。また、ズキズキとした鋭い痛みが軽減し、触れた時の刺激に対する反応も鈍くなってくるでしょう。食事の際にしみたり、話すときに違和感を覚えたりする頻度が減ってきたら、それは回復に向かっている証拠です。この時期のケアで大切なのは、引き続き口腔内を清潔に保つことです。毎食後の歯磨きやうがいは丁寧に行い、患部を刺激しないように注意しましょう。柔らかい歯ブラシを選び、力を入れすぎないように優しく磨くことが肝心です。また、うがい薬を使用する場合は、刺激の少ないタイプを選ぶと良いでしょう。食事に関しても、香辛料の多いものや熱すぎるもの、硬い食べ物は避け、消化が良く栄養価の高いものを選ぶことが推奨されます。特にビタミンＢ群やビタミンＣは、粘膜の修復を助ける働きがあるため、積極的に摂取したい栄養素です。睡眠不足やストレスは免疫力を低下させ、口内炎の治りを遅らせる原因となるため、十分な休息を取り、リラックスできる時間を作ることも大切です。治りかけに見えても、数日経っても改善が見られない場合や、逆に症状が悪化するような場合は、他の病気の可能性も考えられるため、早めに歯科医師や医師に相談することをお勧めします。自己判断で市販薬を使い続けたり、放置したりすることは避けましょう。