子供は大人に比べて口内炎ができやすく、また、その痛みをうまく伝えられないことも多いため、親御さんが注意深く観察し、適切なケアをしてあげることが大切です。子供の口内炎は、できる場所によっても注意すべき点や対処法が少しずつ異なります。まず、舌にできた場合です。子供は好奇心から何でも口に入れてしまったり、食事中に誤って舌を噛んでしまったりすることがあります。舌の口内炎は食事や会話の際に痛みが強く、機嫌が悪くなる原因になりがちです。食事は刺激の少ない、柔らかく飲み込みやすいものを選び、熱すぎるものは冷ましてから与えましょう。歯磨きの際も、舌を傷つけないように優しく行う必要があります。次に、唇の裏側や頬の内側です。これらは、転んだりぶつかったりした際に口の中を傷つけたり、硬いおもちゃを噛んだりすることでできやすい場所です。また、手足口病などのウイルス感染症では、これらの場所に多数の小さな水疱や口内炎が現れることがあります。食事の際は、患部に食べ物が直接当たらないように工夫し、ジュースなどもストローを使うと痛みが和らぐことがあります。歯茎にできた場合は、歯磨きが特に重要になりますが、痛がるからといって怠ると、さらに悪化する可能性があります。柔らかい子供用の歯ブラシで、優しく丁寧に磨いてあげましょう。歯茎全体が赤く腫れていたり、出血が見られたりする場合には、ヘルペス性歯肉口内炎の可能性もあるため、小児科や小児歯科を受診しましょう。高熱を伴うことが多いのが特徴です。喉の奥にできた場合は、飲み込むときの痛みが強いため、食事が摂りにくくなります。脱水症状にならないよう、水分補給をこまめに行うことが大切です。イオン飲料や経口補水液などを少しずつ与えると良いでしょう。原因としては、ヘルパンギーナなどのウイルス感染が考えられます。いずれの場所にできた場合でも、共通して言えるのは、口腔内を清潔に保つこと、刺激の少ない食事を与えること、そして十分な休息を取らせることです。子供は免疫力が未熟なため、ちょっとしたことで口内炎ができたり、治りが遅かったりします。栄養バランスの取れた食事も重要で、特にビタミンB群やビタミンCを意識して摂らせると、粘膜の回復を助けます。