歯痛と頭痛が同時に起こる場合、その原因は一つとは限りません。歯のトラブルが頭痛を引き起こすこともあれば、全く別の原因でそれぞれが独立して発生していることもあります。しかし、歯痛と頭痛がセットで現れる場合、まずは歯に原因がないかを疑ってみることが重要です。考えられる歯や口腔内の原因としては、虫歯の進行、歯周病、親知らずの炎症、歯の根の先の膿(根尖性歯周炎)、噛み合わせの異常、顎関節症、歯ぎしりや食いしばりなどが挙げられます。これらの問題があると、歯や周囲組織の神経が刺激されたり、顎や顔の筋肉が緊張したりして、それが頭部への関連痛として頭痛を引き起こすことがあります。では、どのように原因を見つけるヒントを得るのでしょうか。まずは、痛みの特徴を観察しましょう。歯痛と頭痛はどちらが先に始まったか、同じ側に起こるか、特定の動作(噛む、冷たいものを飲むなど)で悪化するか、痛みの種類(ズキズキ、ジンジン、鈍痛など)はどうか、などを記録しておくと、医療機関で症状を伝える際に役立ちます。次に、鏡で口の中を観察してみましょう。歯ぐきの腫れや出血、歯の変色、虫歯らしき穴などが見られるか確認します。ただし、見ただけでは分からない問題も多いため、自己判断は禁物です。最も確実な方法は、歯科医院を受診することです。歯科医師は口腔内の状態を詳しく診察し、レントゲン検査などを行って、歯や顎に関係する原因があるかどうかを診断してくれます。もし歯に原因が見つからなければ、他の原因(片頭痛、緊張型頭痛、副鼻腔炎など)を疑い、必要に応じて耳鼻咽喉科や脳神経外科などの専門医を紹介されることもあります。いずれにしても、漫然と市販薬で痛みを抑えるのではなく、専門家の診断を受けて原因を特定することが、早期の回復につながります。
歯痛と頭痛に悩むあなたへ、原因を見つけるヒント