知られざる歯科医院の真実

未分類
  • 「上顎洞炎、自然治癒するかも」と放置するリスクとは?

    未分類

    頬の痛みや色のついた鼻水、しつこい鼻詰まりといった上顎洞炎の症状。「そのうち治るだろう」と軽く考え、医療機関を受診せずに放置してしまう人もいるかもしれません。確かに、ごく軽症で一過性の上顎洞炎であれば、体の免疫力によって自然に軽快することもあります。しかし、多くの場合、適切な治療を受けずに放置することには、様々なリスクが伴います。最も大きなリスクは、症状の悪化と慢性化です。急性上顎洞炎は、風邪などのウイルス感染に続いて細菌感染が起こることで発症することが多いですが、この細菌感染を放置すると、炎症がさらに広がり、上顎洞内に膿がどんどん溜まっていきます。その結果、頬の痛みや頭痛はますます強くなり、高熱が出ることもあります。鼻水はより粘稠で悪臭を伴うようになり、鼻詰まりもひどくなって呼吸が苦しくなることも少なくありません。そして、このような急性期の炎症が適切に治療されずに長引くと、3ヶ月以上症状が続く「慢性上顎洞炎」へと移行してしまうリスクが高まります。慢性上顎洞炎になると、鼻の粘膜が厚くなったり、鼻の中にポリープ(鼻茸)ができたりして、薬だけでは治りにくくなります。常に鼻が詰まっている、匂いがわからない、後鼻漏で咳が続くといった不快な症状が日常生活に大きな影響を与え、集中力の低下や睡眠障害を引き起こすこともあります。さらに、放置された上顎洞炎は、稀ではありますが、周囲の重要な器官に影響を及ぼす合併症を引き起こす可能性も否定できません。上顎洞は、眼や脳といったデリケートな器官と近接しています。炎症が眼窩(眼球が収まっているくぼみ)に及ぶと、眼窩蜂巣炎や視力障害といった深刻な合併症を引き起こすことがあります。また、ごく稀に炎症が頭蓋内に波及し、髄膜炎や脳膿瘍といった生命に関わる重篤な状態に至るケースも報告されています。特に、免疫力が低下している人や糖尿病などの基礎疾患がある人は、合併症のリスクが高まるため注意が必要です。歯が原因で起こる「歯性上顎洞炎」の場合、原因歯の治療をしなければ上顎洞炎は決して治りません。放置すれば、歯の状態も悪化し、最悪の場合、抜歯が必要になることもあります。また、上顎洞内の膿が歯茎から排出されたり、顔が腫れたりすることもあります。