口内炎の中でも特に厄介なのが、舌にできるものです。食事のたびに刺激され、会話をするのさえ辛くなることがあります。舌の口内炎は、その場所によっても微妙に痛みの種類や対処法が異なるため、正しい知識を持つことが重要です。舌の先端や側面、裏側など、できる場所は様々ですが、いずれも日常生活に大きな支障をきたします。原因としては、まず物理的な刺激が挙げられます。誤って舌を噛んでしまったり、硬い食べ物や歯ブラシで傷つけてしまったりすることが引き金になります。また、熱い飲み物や食べ物による火傷も原因の一つです。矯正器具や合わない入れ歯が常に舌に接触している場合も、慢性的な刺激となり口内炎を誘発しやすくなります。次に考えられるのは、ストレスや疲労、栄養不足による免疫力の低下です。体が弱っていると、普段なら何でもないような小さな傷からも細菌が侵入しやすくなり、炎症が起こりやすくなります。特にビタミンB群や鉄分、亜鉛などが不足すると、舌の粘膜が弱くなり、口内炎ができやすい状態になると言われています。ウイルスや細菌の感染も原因となることがあります。ヘルペス性口内炎やカンジダ性口内炎などが代表的で、これらは通常の口内炎とは異なる特徴を持つため、注意が必要です。舌に口内炎ができてしまった場合の対策としては、まず口腔内を清潔に保つことが基本です。毎食後、優しく歯磨きをし、刺激の少ないうがい薬で口をすすぎましょう。食事は、刺激の少ない、柔らかく飲み込みやすいものを選びます。熱すぎるもの、辛いもの、酸っぱいものは避け、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。特に、粘膜の修復を助けるビタミンB群を多く含む食品(レバー、豚肉、納豆など)を積極的に摂取すると良いでしょう。市販の口内炎治療薬を使用するのも一つの方法です。軟膏タイプやパッチタイプなど様々な種類があるので、薬剤師に相談して自分に合ったものを選びましょう。