知られざる歯科医院の真実

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  • 片側扁桃炎が歯の痛みを引き起こす?

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    喉の片側が急に腫れて痛くなり、唾を飲み込むのも辛い、そしてなぜか同じ側の歯までズキズキと痛む。このような症状に心当たりはありませんか。もしかすると、それは「片側扁桃炎」が原因で、その痛みが歯にまで影響を及ぼしているのかもしれません。扁桃腺は、喉の奥の両側にあるリンパ組織で、外部から侵入してくる細菌やウイルスに対する免疫の役割を担っています。この扁桃腺が細菌やウイルスに感染して炎症を起こすのが扁桃炎です。一般的には両側の扁桃腺が同時に炎症を起こすことが多いですが、片側の扁桃腺だけが特に強く炎症を起こす「片側性扁桃炎」も決して珍しくありません。片側扁桃炎の主な症状は、炎症が起きている側の喉の強い痛み、発熱、倦怠感、そして食べ物や唾液を飲み込む際の痛み(嚥下痛)です。炎症がひどくなると、扁桃腺が赤く大きく腫れ上がり、白い膿が付着することもあります。そして、この喉の強い炎症が、周囲の神経を刺激したり、炎症物質が広がったりすることで、同じ側の耳や首、そして歯にまで痛みが放散することがあるのです。これを「関連痛」と呼びます。つまり、歯自体には直接的な問題がなくても、喉の強い炎症によって、あたかも歯が痛んでいるかのように感じてしまうわけです。特に、顎の下のリンパ節が腫れてくると、それが歯の痛みを増強させることもあります。片側扁桃炎が疑われる場合、まずは耳鼻咽喉科を受診することが推奨されます。医師は、喉の視診や症状の問診、必要に応じて細菌検査などを行い、診断を確定します。治療は、原因が細菌感染であれば抗生物質の投与が中心となり、ウイルス感染であれば症状を和らげる対症療法(解熱鎮痛剤やうがい薬など)が行われます。十分な休息と水分補給も非常に重要です。多くの場合、適切な治療を開始すれば数日から一週間程度で症状は改善に向かいますが、炎症が非常に強い場合や、扁桃周囲炎(扁桃腺の周囲に膿が溜まる状態)や扁桃周囲膿瘍(膿がさらに広がった状態)に進行してしまった場合は、入院治療や外科的な処置(穿刺や切開排膿)が必要になることもあります。